お役立ち情報

飲食店や食品工場など、食品を扱う事業を運営する方にとって、毎日必ず処理しなくてはいけない「生ごみの処理」。

この生ごみの処理ですが、事業活動から出るごみは、家庭ごみとまったく異なるルールが法律で定められています。

万が一、誤った処理をしてしまった場合、廃棄物処理法に基づき、排出した事業者自身が最大で5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方を科される可能性も。

この記事では、2025年の最新情報に基づき、こうした法的なリスクを確実に回避し、コストと手間を最適化するための生ゴミ回収業者の選び方を、専門家の視点から徹底的に解説します。

生ごみ回収の基礎知識

生ごみといっても、飲食店や食品工場などの事業者から出るごみの場合、家庭ごみの分別や廃棄方法と異なります。

「知らずに家庭ごみの集積所に捨てていた」としても、行政からの指導や冒頭で述べた罰金を支払わなくてはいけなくなることも。

そうならないためにも、まずは生ごみ回収の基礎知識から解説します。

生ごみとは

飲食店や食品工場などの事業者から出るごみは「事業系ごみ」として扱われます。そのため、どんなに小規模で少量の排出しかない場合でも、家庭ごみと一緒に排出することは廃棄物処理法で固く禁じられています。

その事業系ごみの中でも、「事業系一般廃棄物」と「産業廃棄物」の２つに分類され、調理くずや食べ残しなどの生ごみは原則として事業系一般廃棄物として廃棄処理をしなくてはいけません。

廃棄物の分類	概要	飲食店での具体例
事業系一般廃棄物	産業廃棄物以外の事業系ごみ	調理くず、食べ残し、紙くず（おしぼり、紙ナプキン）、割り箸、段ボールなど
産業廃棄物	法律で定められた20種類の事業系ごみ	廃油（食用油）、グリストラップ汚泥、廃プラスチック類（大量のプラ容器など）、金属くず、ガラス・陶磁器くずなど

参照：廃棄物の処理及び清掃に関する法律

ここで覚えておきたいのが、同じ飲食店から出るごみでも、種類によって法的な分類が異なるという点です。この分類を正しく理解し、それぞれ適切に処理することが法律で義務付けられています。

生ゴミは事業ゴミとして回収してもらうべき

たまに「事業から排出されている生ごみなのに、家庭ごみと一緒に排出していた」という報告も受けますが、これは明確なルール違反です。

この原則は「排出事業者責任」と呼ばれ、最も重要な点は、廃棄物処理を業者に委託した場合でも、最終的な処理責任は排出した事業者自身にあるということです。

つまり、万が一委託した業者が不法投棄などの不適正な処理を行った場合、その業者だけでなく、依頼した飲食店（事業者）側も罰則の対象となるのです。  

だからこそ、生ゴミの処理は、法令を遵守し、適正な処理プロセスを保証してくれる正規の回収業者に委託することが、事業者にとって最適な選択肢であり、経営上のリスクを回避するための絶対条件と言えます。

生ごみ回収業者の選び方

生ごみ回収業者を適当に選んでしまうと、「実は業者が不法投棄していた」「回収コストが相場よりも高すぎる」などのトラブルに発展することも。

ここでは、実際に生ごみを回収してくれる業者の選び方を、3つのポイントに分けて解説します。

①回収の許可があるか

事業系ごみの回収業者を選ぶ際に最も重要なのが、そのごみに対する「収集運搬の許可の有無」です。

飲食店から食品工場から頻繁に出る生ごみは、事業系一般廃棄物に該当するので、店舗が所在する市区町村が発行する「一般廃棄物収集運搬業許可」も取得している業者に回収を委託しなくてはいけません。

よくある誤解として、「産業廃棄物収集運搬業許可」があれば問題ないと思われがちですが、この許可だけでは事業系“一般”廃棄物である、生ゴミを回収することはできないので注意が必要です。

重要なのは、この「一般廃棄物収集運搬業許可」は市区町村単位で交付されるという点です。

たとえば、東京都A区の許可を持つ業者が、隣のB区の店舗からごみを回収することは原則としてできません。契約前には、必ず自店舗の市区町村の許可を持っているかを確認しましょう。

②実績が豊富か

許可の次に確認すべきは、ご自身の事業と類似の事業で、ごみ回収をしている実績があるかどうかです。

飲食店では、特に生ごみの排出が多く、深夜・早朝の回収や衛生管理、さらにはビン、カン、ペットボトルなどの資源ごみの有無も事業者により異なります。

これらの課題を深く理解し、店舗の状況に合わせた最適な回収プランを提案できるのは、やはり飲食店での回収実績が豊富な業者になります。

たとえば、私たちクリメンでは、全国の信頼できる業者と提携しており、3,000社以上に渡る飲食店のごみ回収のサポートをしている実績があるだけではなく、複数店舗を展開するチェーン店でも、請求や管理の窓口を一本化できる強みがあります。

また、事業系一般廃棄物にとどまらず、産業廃棄物、グリストラップの清掃・回収、廃油買取まで幅広いサポートが可能なので、お気軽にご相談ください。

③料金体系が明確か

生ごみ回収のコストといっても、実は業者によって契約内容や回収方法が異なるため、回収費用が異なります。主な料金体系には以下の3つのタイプがあります。

• 袋課金制：指定のゴミ袋1袋あたりで料金が計算される方式なので、ごみの重量が関係しない料金体系です 。  

• 重量課金制：回収したゴミの重量（kg）に応じて料金が決まる方式です。ゴミの削減がコスト削減に直結するので、公平性が高い料金体系です。

• 定額制：毎月の排出量に関わらず、月額料金が固定されている方式。予算管理がしやすい一方、排出量が少ない月は割高に感じることはもちろん、実際の排出量より多めに見積もられている場合もあります。

また、見積もりを取る際は、どの料金体系が自店舗の排出量や営業形態に合っているかを検討しましょう。そして、契約前には以下の点を確認することが重要です。

• 基本料金に含まれるサービス（回収頻度、品目など）の範囲

• 追加料金が発生するケース（粗大ごみ、臨時回収など）

• 契約期間と解約時の条件

単に「安い」という理由だけで業者を選ぶと、回収漏れやトラブル時に窓口が対応してくれない、といったトラブルにつながりかねません。

そのため、複数の業者から見積もりを取り、コスト面の観点だけではなく、サービス内容も含め総合的に判断することをおすすめします。

【2025年最新】生ゴミの回収業者おすすめ５選

生ゴミ回収業者の料金は、主に「ゴミの排出量」「回収頻度」「回収品目」などの複数要因によって変動します。

それに加え、店舗の立地（例：高層階、車両が入りにくい路地など）によっても追加料金が発生するケースも少なくありません。

また、事業系一般廃棄物に分類される飲食店の生ゴミの処理は、市区町村により処理単価が大きく異なる上に、交付されている許可証も異なります。

これらを踏まえた上で、信頼できる業者をエリア別に厳選して紹介します。

①株式会社クリメン

小規模な個人の飲食店だけではなく、全国に店舗展開するチェーン事業者や、廃棄物管理を一元化したい経営者にとって理想的なのが株式会社クリメンです。

全国3,000社以上の飲食店との取引実績を誇り、全国各地の正規許可業者とのネットワークを活かして窓口と請求書を一本化してくれるのが大きな特徴です。

生ゴミだけでなく、廃油やグリストラップ清掃・回収、廃油買取までサポート可能なため 、管理の手間とコストを大幅に削減できます。

＞＞株式会社クリメンにお問い合わせはこちら

②株式会社リサイクル・ネットワーク

東京23区を中心に一般廃棄物の収集をしている会社です。

国と東京都の両方から「優良産廃処理業者」として認定されているので、安心して廃棄物処理を任せられます。

また、産業廃棄物に関しては、東京都だけではなく一都三県付近でも回収対応が可能です。

＞＞株式会社リサイクル・ネットワークへのお問い合わせはこちら

③株式会社香南

阪市を中心に事業展開する株式会社香南は、地域に根差した信頼できる業者です。

大阪市、八尾市、堺市で「一般廃棄物収集運搬業許可」を取得しており、飲食店やオフィスから出る生ごみや紙くずなどを回収してくれます。

産業廃棄物に関しても大阪府と奈良県で許可を取得しているため、幅広い廃棄物に対応可能です。

＞＞株式会社香南へのお問い合わせはこちら

④名古屋コンテナー株式会社

愛知県名古屋市で事業系ごみの回収を依頼するなら、名古屋コンテナー株式会社が選択肢の一つとなります。

同社は可燃ごみや生ごみといった一般廃棄物はもちろん、食品リサイクルにも対応しています。

ごみの回収だけでなく、ダストボックスの製造・販売やビル清掃も手掛けており、廃棄物に関する幅広い相談が可能です。

＞＞名古屋コンテナー株式会社へのお問い合わせはこちら

⑤有限会社メンテナンス博多

福岡市で環境配慮を重視するなら、有限会社メンテナンス博多がおすすめです。

同社は福岡市の許可業者として、博多区と南区を中心に事業系一般廃棄物の収集を行っています。

飲食店などから出た食品廃棄物を分別回収し、電力や肥料へとリサイクルする取り組みをしているので、廃棄物処理を通じて循環型社会に貢献したい事業者にとっては魅力的なパートナーとなるでしょう。

＞＞有限会社メンテナンス博多へのお問い合わせはこちら

生ごみの処理＆回収方法

信頼できる業者を見つけたら、次は契約と回収開始です。

以下はクリメンの場合になりますが、一般的に以下の4つのステップで進みます。

• ①お問い合わせ・無料相談
  • まずは電話やウェブサイトのフォームから、現状の課題（コスト、回収頻度、場所など）を相談します。この段階で、店舗の業態、規模、排出量などを伝えることで、その後の提案がスムーズになります。

• ②回収可否調査・お見積もり
  • まずは回収ルート的にに回収可能かどうかを判断するために調査します。回収可能だった場合、最適な回収プランと正確な見積もりを提示いたします。

• ③ご契約
  • ご提案したプランと見積もりに納得できれば、正式に契約を締結します。契約書の内容（料金、回収頻度、対象品目、契約期間など）は、必ず詳細まで確認しましょう。

• ④回収開始
  • 契約内容に基づき、指定された曜日・時間に定期的な回収がスタートします。この際に契約者の方は、この際に契約者の方は、現場にいるスタッフにごみの排出場所や曜日、時間、分別方法などを共有しておくと、よりスムーズです。

生ごみを処理するときの注意点

契約後の生ごみを処理するときに注意するポイントを3つに分けて解説します。

① 無許可・不適正処理

繰り返しにはなりますが、事業者にとって最大のリスクは、無許可業者へ委託してしまうことです。

廃棄物処理法では、事業系“一般”廃棄物の収集運搬は、市区町村の許可を得た業者にしか委託できないので忘れないようにしましょう。

もし無許可業者へ委託した場合、または委託した業者が不法投棄などの不適正処理を行った場合、排出事業者自身が「5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方」という極めて重い罰則の対象となります。

契約する際に、「一般廃棄物収集運搬業許可証」を提示してもらう、もしくは自治体のウェブサイトで許可業者名簿を確認するようにしましょう。

② 保管容器・置場設計

日々の店舗運営において、生ゴミの保管方法も重要な課題です。

東京23区や大阪市などの都市部で、ビルが密集している場合には、カラスやネズミなどの害虫被害が多発しています。そのため、「蓋付きの密閉容器に入れる」「防鳥ネットを被せる」など、荒らされない対策を徹底しましょう 。

ロードサイドに店舗を構えている場合は、どんなにごみが多い日でも、ごみが溢れないような大きめのダストボックスを設置することをおすすめします。

ただし、建物のオーナーによっては「ビル前での排出は禁止」といったごみの排出場所を指定されるケースもあります。その場合、ごみ回収業者と相談しながら排出場所を決めていきましょう。

③生ごみの「汁」

生ごみを捨ている際に、気をつけたいのが「汁」です。

もし汁が多すぎる場合、回収業者がグリストラップから出る汚泥と判断してしまい、回収してくれないケースも少なくありません。

汁気が多いまま排出するとごみの重量が増え、重量課金制の場合は回収料金が高くなってしまうことも。

生ごみを出す際は、汁気をしっかり切り、分別してから排出することで、問題なくごみ回収をしてもらえます。また、コスト削減にもつながります。

飲食店の生ごみ処理は業者に頼むのが適切

ここまで解説してきた通り、一見簡単そうに見える飲食店の生ごみ処理の裏には、複雑な法規制、衛生管理、そして経営リスクが絡み合っています。

法的な罰則リスクを確実に回避し、衛生的な店舗環境を維持し、安心して生ごみを廃棄するためにも、信頼できる廃棄物処理業者に委託することが最適な選択肢です。

株式会社クリメンは全国各地の信頼できる業者と提携しているので、市区町村だけではなく、都道府県を跨いだ回収手配が可能です。

個人オーナーが経営する小規模な飲食店はもちろん、全国に複数店舗を展開する飲食店まで、幅広く回収サポートをしております。

また、生ごみや紙類、割り箸といった一般廃棄物だけでなく、飲食店の運営で必ず排出される産業廃棄物、グリストラップの清掃・回収、さらには廃油の買取まで総合的にサポートしております。

今から事業を始められる方、回収業者の切り替えを検討している方、またその他の事業系ごみについて気になることがある方は、お気軽にご相談ください。

まとめ

本記事では、飲食店経営者が直面する生ゴミ処理の問題について、法的なリスクから具体的な業者選びのポイントまでを網羅的に解説しました。

最後に、最も重要なポイントを3つにまとめます。

• 飲食店の生ゴミは「事業系ごみ」であり、家庭ごみとして捨てることはできない。
• 排出したごみの処理責任は、業者に委託した後も事業者自身にある（排出事業者責任）。
• 業者選びの際は、必ず店舗所在地の「一般廃棄物収集運搬業許可」を持つ正規業者を選ぶ。

適切なごみ回収業者を選ぶには、コストの安さだけでなく、サービス内容、回収頻度など、総合的に判断して良い業者を選ぶことが重要です。

もし、何かお困りの方がいましたら、お気軽にご相談ください。クリメンでは、無料相談・お見積もりを受け付けております。