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【2025年最新版】産業廃棄物とは何か|定義・分別・処理などを解説
2025/08/15

事業活動に伴って排出される産業廃棄物の処理、正しく理解できていますか?
オフィスの移転で出る粗大ゴミ、飲食店から出る厨房器具、建設現場の廃材など、事業者が出すゴミは多岐にわたります。これらは家庭から出るごみとは全く異なり、廃棄物処理法に基づいて適切な処理をしなければなりません。
この記事では、「産業廃棄物とは何か?」という基本的な定義から、具体的な20種類の分類、適正な処理フロー、そして失敗しない業者選びのポイントまで、事業者の方が知るべきすべてを網羅的に解説します。

産業廃棄物とは?定義と分類をわかりやすく整理

産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、廃棄物処理法で定められた20種類のものを指します。たとえ個人事業主であっても、事業から出たゴミであれば家庭ゴミとして捨てることはできません。
まずは、その基本となる「20種類の廃棄物」がどのようなものか見ていきましょう。
廃棄物処理法で定められた「20種類の廃棄物」

産業廃棄物は、その性質や排出される状況から20種類に分類されています。
一気に解説すると長くなるので、ここでは「あらゆる事業活動に伴う産業廃棄物(12種類)」と、「特定の事業活動に伴う産業廃棄物(8種類)」に分けて解説します。
あらゆる事業活動に伴う産業廃棄物(12種類)
番号 | 種類 | 主な具体例 |
---|---|---|
1 | 燃え殻 | 石炭がら、焼却炉の残灰、炉清掃排出物 |
2 | 汚泥 | 工場廃水処理の沈殿物、各種製造業の泥状物、建設現場の泥水 |
3 | 廃油 | 潤滑油、洗浄油、絶縁油、動植物性油 |
4 | 廃酸 | 写真定着廃液、酸洗浄工程の廃液(pH7.0未満) |
5 | 廃アルカリ | アルカリ洗浄工程の廃液、石鹸液(pH7.0超) |
6 | 廃プラスチック類 | 合成樹脂くず、合成繊維くず、合成ゴムくず(廃タイヤ含む) |
7 | ゴムくず | 天然ゴムのくず |
8 | 金属くず | 鉄鋼・非鉄金属の破片、研磨くず、切削くず |
9 | ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず | ガラス類(板ガラス等)、製品製造時のコンクリートくず、陶磁器くず |
10 | 鉱さい | 製鉄所の高炉かす、鋳物砂 |
11 | がれき類 | 工作物の新築・改築・除去時に生じたコンクリート破片、アスファルト破片 |
12 | ばいじん | 大気汚染防止法に定める施設で発生する集じんダスト |
特定の事業活動に伴う産業廃棄物(8種類)
番号 | 種類 | 主な具体例 | 対象となる業種(一部) |
---|---|---|---|
13 | 紙くず | 建設業、製紙業、出版・印刷業などから生じる紙くず | 建設業、パルプ・紙**・紙加工品製造業、新聞業、出版業など |
14 | 木くず | 建設業、木材・木製品製造業などから生じる木くず、PCB汚染木くず | 建設業、木材・木製品製造業、家具・装備品製造業など |
15 | 繊維くず | 建設業、繊維工業などから生じる木綿・羊毛などの天然繊維くず | 建設業、繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く) |
16 | 動植物性残さ | 食料品、医薬品、香料の製造工程で発生する固形状不要物、グリストラップの汚泥 | 食料品製造業、医薬品製造業、香料製造業 |
17 | 動物系固形不要物 | と畜場・食鳥処理場で処理した獣畜・食鳥に係る固形不要物 | と畜場、食鳥処理場 |
18 | 動物のふん尿 | 畜産農業から排出される牛、馬、豚、鶏などのふん尿 | 畜産農業 |
19 | 動物の死体 | 畜産農業から排出される牛、馬、豚、鶏などのふん尿 | 畜産農業 |
20 | 1~19を処分するために処理したもの | 上記1~19の産業廃棄物を処理したもので、元の性質と異なるもの | – |
(※上記のほか、爆発性、毒性、感染性があり人や環境に被害を生じさせる恐れがあるものは「特別管理産業廃棄物」として、より厳格な処理基準が定められています。)
ここで注意したいのが、同じ「紙くず」でも製紙業から出れば「産業廃棄物」ですが、一般的なオフィスから出る書類(機密文書除く)は「事業系一般廃棄物」になります。
また、産業廃棄物と事業系一般廃棄物では、処理を委託する業者の許可が異なるため、排出されるごみに適した処理をしましょう。
不安な人は業者に相談
「うちの会社から出るゴミは、結局どっちなんだろう?」
「複数の種類のゴミが混ざっているが、どう分別すればいいのかわからない」
ここまでお読みいただいても、このように判断に迷ってしまうケースは少なくなく、実際、多くの事業者がこの分類の複雑さに悩まされています。
しかし、誤った処理をしてしまうと不法投棄とみなされ罰則を受けてしまう可能性もあるため、少しでも分からない場合は廃棄物管理の専門家である処理業者に相談してみるのをおすすめします。
私たちクリメンは、定期的な廃棄物回収をご契約いただくお客様が対象となりますが、産業廃棄物、事業系一般廃棄物の両方の回収手配をしております。詳しく知りたい方は、お気軽に無料相談をご利用ください。

産業廃棄物の処理フローと排出者の責任

産業廃棄物は、許可を持つ専門業者に引き渡せば、それで終わりではありません。廃棄物処理法では、排出した事業者自身が「その廃棄物が最終的に適正処理されるまで」の全責任を負う「排出事業者責任」を定めています。
ここでは、収集から最終処分までの「処理フロー」と、排出事業者の責任でもある「マニフェスト制度や管理義務」について、解説します。
処理フロー:収集→中間処理→最終処分
事業所から排出された産業廃棄物は、主に「収集→中間処理→最終処分」の3つのステップを経て処理されます。
① 収集・運搬
排出事業者のもとから、産業廃棄物を処理する「中間処理施設」や「最終処分場」へ廃棄物を運搬する工程です。
この工程を委託するには、廃棄物を排出する場所(都道府県・政令市)と、運搬先の施設がある場所、両方の「産業廃棄物収集運搬業許可」を持つ業者と契約する必要があります。
② 中間処理
収集された廃棄物を、最終処分(埋め立て)する前に加工するのが中間処理です。
中間処理の目的は、廃棄物の量を減らして、安全な状態にし、資源として再利用する(リサイクル)ことにあります。
③ 最終処分
中間処理を行ってもリサイクルできず、残ってしまった廃棄物を、環境へ影響が出ないよう安全に埋め立てるのが最終工程です。廃棄物の種類に応じて、以下の3つのタイプの最終処分場に埋め立てられます。
- 安定型最終処分場: 廃プラスチック類、ゴムくずなど、環境への影響が少ない5品目のみ
- 管理型最終処分場: 燃え殻、汚泥など、有害物質や汚水が流出する可能性があるもの
- 遮断型最終処分場: 有害な特別管理産業廃棄物など、特に厳重な管理が必要なもの
この工程は「産業廃棄物処分業(最終処分)許可」を持つ業者が行います。
マニフェスト制度とは?
マニフェスト制度とは、排出事業者が委託した産業廃棄物の処理の流れを自ら把握し、不法投棄などを防ぐための仕組みです。
紙の伝票(マニフェスト)または電子情報(電子マニフェスト)を用いて、廃棄物がいつ、誰によって、どのように処理されたかを記録・管理します。
- 排出事業者がマニフェスト(7枚綴り等)を発行し、必要事項を記入。
- 収集運搬業者が引き渡し時にサインし、排出事業者は控え(A票)を受け取る。
- 収集運搬業者は、中間処理施設への運搬が完了したら、排出事業者へ控え(B2票)を送付。
- 中間処理業者は、処理が完了したら排出事業者へ控え(D票)を送付。
- 最終処分業者は、最終処分が完了したら中間処理業者経由で、排出事業者へ完了報告(E票)を送付。
このE票の返送・確認をもって、排出事業者は一連の処理が適正に完了したことを確認できますが、これらの伝票は「5年間の保管義務」があるので、紛失しないようきちんと保管しておきましょう。
ちなみに、近年では「電子マニフェスト」が普及してきており、事務処理の効率化やペーパーレス化に加え、行政への実績報告が不要になる(JWNETが代行報告)など、メリットが大きいのが特徴です。
排出頻度が高い、または排出量が多い場合は、委託を検討している業者が電子マニフェストに対応しているか確認してみると良いでしょう。
排出事業者の管理義務
廃棄物処理法は、排出事業者に対して以下のような義務を課しており、違反した場合は厳しい罰則の対象となります。
- 廃棄物の適正な保管
- 処理業者に引き渡すまで、廃棄物は法律で定められた「保管基準」に従って保管しなければなりません。
- 囲いの設置: 保管場所の周囲に囲いを設ける。
- 掲示板の設置: 産業廃棄物の保管場所である旨、廃棄物の種類、管理者の氏名・連絡先などを記載した掲示板(縦横60cm以上)を見やすい場所に設置する。
- その他: 悪臭、騒音、振動が出ないようにし、害虫等が発生しないように措置を講じる。
- 処理業者に引き渡すまで、廃棄物は法律で定められた「保管基準」に従って保管しなければなりません。
- 適正な処理業者への委託
- 必ず、処理内容に応じた都道府県知事等の許可を持つ業者に委託しなければなりません。無許可業者への委託は、排出事業者も処罰の対象となります。
- 委託契約書の締結
- 業者と委託契約を結ぶ際は、必ず書面で契約しなければなりません。契約書には、委託する廃棄物の種類、数量、処理料金、業者の許可証の写しなどを添付する必要があります。
- マニフェストの交付と管理
- 廃棄物を引き渡す際に、必ずマニフェストを交付し、処理の各工程で返送される控えを定められた期間(5年間)保管する義務があります。
- 最終処分までの確認
- マニフェストE票等により、委託した廃棄物が最終処分まで完了したことを確認する義務があります。万が一、委託した業者が不法投棄などを行った場合、この確認を怠っていると排出事業者も責任を問われます。

委託時の注意点と業者選定の基準

産業廃棄物の処理を委託する際、なんといっても「信頼できる処理業者なのかを見極めること」が重要になります。
料金の安さや手軽さだけで選んでしまうと、業者が実は許可証を持っていなかったり、不法投棄をしていたりということが発覚し、排出事業者である自社が後々トラブルになることも。
そうならないためにも、契約前に確認すべき3つのポイントを解説します。
許可業者の確認
産業廃棄物の処理を委託するにあたり、業者が委託内容に応じた許可を持っているか必ず確認しましょう。
- ・産業廃棄物収集運搬業許可
- 廃棄物を運んでもらう場合に必要。
- ・産業廃棄物処分業許可(中間処理・最終処分)
- 廃棄物の処分(中間処理・最終処分)をしてもらう場合に必要。
これらの許可は、問い合わせる前に産廃情報ネットの「さんぱいくん」や各自治体のウェブサイトで、許可情報や行政処分歴などを誰でも検索できます。
契約書の作成・管理義務
一部の業者では、今でも口約束でごみ回収を始めてしまうケースがありますが、トラブル防止のため、必ず書面で「廃棄物処理委託契約書」を締結しましょう。
その際に、業者の「許可証」の写しを添付してもらい、処理料金や収集条件などを明確にすることが、後のトラブルを防ぎ事業を守る上で不可欠です。
また、作成した契約書は、契約終了日から5年間、許可証の写しと共に保管する義務があります。
処理業者の処分先チェック
委託先の業者が信頼できるか見極めるため、実際に処理施設に訪問してみるのも一つの手ですが、多くの事業者にとってはあまり現実的ではありません。
そのため、現地に行かなくてもできる、以下の点を重点的に確認するようにしましょう。
- ・公式サイトに会社概要、許可番号、許可範囲が明記されているか?
- ・環境への取り組み(ISO14001認証取得など)や、具体的な処理実績が公開されているか?
- ・公式サイトなどでの情報が長期間更新されていない状態ではないか?
これらのチェックは時間はかかりますが、トラブルに巻き込まれないためにも重要な項目になります。
産業廃棄物を回収してくれるおすすめ業者

ここまで産業廃棄物の複雑なルールや、業者選定がいかに重要かについて解説してきました。
産業廃棄物の回収には、大きく分けて2つの方法があります。
- スポット回収
- オフィスの移転や設備の入れ替えなどで一時的に発生する椅子・デスク・電化製品などの粗大ごみ(産業廃棄物)を、単発で回収してもらう方法。
- 定期回収
- 日々の事業活動で継続的に発生する、ビニール、プラスチック類、ビン、カン、ペットボトルなどの産業廃棄物を、定期的に回収してもらう方法。
事業規模も小さく、普段から産業廃棄物が出ない場合は、不用品回収業者に相談してみてもいいでしょう。ちなみに、事業者が出す粗大ごみは自治体では回収できないので注意しましょう。
クリメンでは、定期回収をご契約いただくお客様に限定されますが、日々の事業活動で出る産業廃棄物の回収はもちろん、事業系一般廃棄物の回収手配もワンストップで行っています。窓口を一本化することで、お客様の管理の手間を大幅に削減できますので、ぜひ無料相談をご活用ください。

まとめ
この記事では、産業廃棄物の定義から処理方法、そして事業者として果たすべき責任について網羅的に解説しました。
最後に、本記事の重要なポイントを振り返ります。
- ・産業廃棄物の定義と責任
- 事業活動から出る廃棄物のうち、法で定められた20種類が産業廃棄物です。その処理責任は、最終処分が完了するまで排出した事業者自身にあります(排出事業者責任)。
- ・適正な処理とマニフェスト制度
- 廃棄物は「収集運搬→中間処理→最終処分」というフローで適正に処理される必要があり、その全工程を管理・証明するのがマニフェスト制度です。
- ・失敗しない業者選びの基準
- 料金の安さだけで選ぶのは危険です。必ず「自治体の許可」の有無を確認し、契約内容や情報公開性、担当者の対応などから総合的に信頼性を判断することが不可欠です。
- ・迷ったら専門家へ相談
- 廃棄物の分類や処理方法に少しでも迷いや不安があれば、自己判断はせず、必ず専門知識を持つ処理業者へ相談しましょう。それが、将来の大きなリスクを回避する最も確実な一歩です。
2025年現在、廃棄物処理に関するコンプライアンスは、社会全体でますます厳格化する傾向にあります。
そして、産業廃棄物の適正処理は、法律上の義務であると同時に、企業の社会的信頼性を守り、持続可能な事業を続けるための重要な基盤です。
クリメンは、複雑で面倒な廃棄物管理の課題を解決するパートナーとして、お客様が産業廃棄物の管理を安心して任せられるよう、全力でサポートします。産業廃棄物に関するあらゆるお困りごとは、ぜひ私たちクリメンにお任せください。

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